民法のテキストの選び方
市販の行政書士用の基本テキストは、本格的な独学には不向きです。
合格率を80~90%にまで高めたい場合は、司法書士試験用のテキストも活用すべきです。
たしかに、行政書士試験用の各社の市販基本テキストは、創意工夫をこらして作成されています。
一冊で、カラー刷りで、初心者にもわかりやすく、手に取りやすい価格帯で…。
独学する際も、どれか一冊は必ず購入すべきだと思います。
しかし、私見では、行政書士用の市販基本テキストをメインに独学していては、合格確率は50%程度で頭打ちになります。
■市販の行政書士基本テキストの弱点
市販の行政書士基本テキストの最大の弱点は、説明が簡潔すぎることです。
行政書士試験の出題範囲はそれなりに広いです。
一冊に情報を整理しようとすると、やはり無理が生じてきます。
たとえば、いくつかの重要項目を省くため、知識に穴ができます。
あるいは、説明が簡潔になりすぎます。
独学の場合、説明が簡潔すぎると、何を言っているのか理解できないことが頻繁に出てくると思います。
そうした疑問を解決するのは、けっこう難しいものです。
質問に答えてくれる先生はいません。
こういったつまづきは、特に民法で起こる気がします。
■民法のテキスト
合格確率80~90%を目指して独学したいなら、一見遠回りに見えますが、司法書士試験用のテキストを活用すべきです。
司法書士試験用のスタンダードな民法のテキストは、重要事項を体系的に漏れなく説明しています。
ページ数は膨大になります(たいてい2~3分冊になっています)。
しかし、説明が丁寧な分、はるかに理解しやすいので、むしろ学習効率が上がります。
■無駄が多くないか
多くありません。むしろ、必要十分だと思います。
行政書士試験と司法書士試験で、民法の難易度に差はほぼない気がします。
司法書士試験のテキストで学習することで、民法の選択問題や記述問題に、確信をもって解答できる可能性がかなり高くなります。
いつまでたっても民法が運…
合格するかしないか毎年ぎりぎりの得点…
そういうあやふやな状況を脱却するには、むしろ民法を体系的にしっかりと学習してみるべきかもしれません。