記述問題について
行政書士試験では、記述問題が3問で出題されます。
各20点で、合計で60点です。
試験の満点が300点であることを考えると、かなりの割合を占めます。
この記事では、記述試験の傾向と対策について私見を述べます。
■何が問われるか
問題文に工夫はありますが、思考力を問う問題はありません。
結局は、暗記しているかを問う問題です。
具体的には、以下のような解答を求める問題が出題されます。
1. 条文そのものを書く
2. 重要判例の重要フレーズを書く
3. 法学上の定義を書く
これらは、試験中に考えて思いつけるものではありません。
知らなければ解答できません。
結局のところ、記述問題は暗記科目です。
■記述問題の難易度
3問は、だいたい次のような難易度になっている気がします。
・きちんと勉強していれば当然に知っているであろう知識:2問
・かなり勉強していないと知らないであろう知識:1問
たとえば、令和3年の本試は、①「行政指導中止の求め(行政手続法)の条文」、②「債権譲渡禁止(民法)の条文」、③「占有物瑕疵(民法)の条文」が問われました。
①と②は当然に知っているであろう知識です。
③はおそらく、一般的な受験者は学習できていないと思います。
つまり、最高に得点できても40点だろうと想定しておくのが良いです。
■40点を確保できるか
では、その40点は確保できるのでしょうか。
おそらく、40点を確保するのは難しいです。
たしかに3問中2問は、きちんと勉強していれば当然に知っているであろう内容です。
しかし、当然に知っているであろう知識でも、意外と正確には書けないものです。
たとえば、
・「法律上の争訟」となるのはどのような場合か…
・「法律上の利益を有する者」とはどのような者か…
・行政行為の「処分」とはどのような行為か…
こういったことは、おそらくきちんと試験勉強をすれば一度は学習していると思います。
しかし、正確に書けとなると、おそらく結構難しいと思います。
当然に知っているであろう知識でも、何となくわかるけど、うまく書けない。こういう問題が必ず出てきます。
なので、減点・部分点の結果、全体で20点程度の得点になれば上出来だと思います。
行政書士試験の合格は180点です。
記述で20点と仮定すると、残りで160点必要です。
記述以外で、160点を得点できるか。
これが行政書士試験合格の目標になります。