行政法の判例をどう補うか
行政法の学習には、行政書士試験用の基本テキストを使うのがスムーズです。
民法と違って、何が書いてあるのかわからなくてつまづくことも少ないと思います。
しかし、判例についての知識は、基本テキストだけでは不足すると思います。
基本テキストは、一冊にまとめるために、とにかく情報を削ります。
行政法分野では、判例の詳細が削られることが多いように思います。
本試では判例が問われることも多いため、判例知識は別の教材で補う必要があります。
■判例が問われる分野
判例知識は、次の分野で問われることが多い気がします。
・行政法の法理論(私法適用可否、行政裁量など)
・国家賠償法・損失補償
これらの判例は、もちろん基本テキストでも触れられています。
しかし、触れ方がごく簡潔(事件名と結果のみなど)な場合が多く、暗記しにくく、試験で出題されても反応できないことが多いです。
また、必ずしも網羅的ではありません。
判例知識は、別の教材で補う必要があると思います。
■オススメ:模試のおみやげ
私はLECの模試を6回受けたのですが、受験者特典として、簡単な教材冊子を計5冊もらえました。
それぞれ数十ページのごく薄い教材なのですが、基本テキストには記載がないような判例の重要箇所が取り上げられていました。
判例の独学にきわめて有益でした。
特に、「行政事件訴訟法」「国家賠償法・損失補償」の冊子には助けられました。
独学では出会いづらい重要判例がほぼすべて網羅されている印象を受けました。
この教材がなければ、私の判例知識は穴だらけになっていたと思います。
■私の経験:司法試験用教材『完全整理択一六法:行政法』(東京リーガルマインド)
たくさんの重要判例が網羅的に部分引用されているので、どんどん読んでどんどん頭の片隅に入れていきました。
司法試験用のテキストなんて大げさな…と思われるかもしれません。
しかし、司法書士試験には行政法がないので、司法試験用の教材をあたるしかなかったのです。
『逐条テキスト』(早稲田経営出版)なども検討しましたが、やはり持ち運びのしやすさで『完全整理択一六法:行政法』が魅力的でした。
ただし、『完全整理択一六法:行政法』は判例の中の重要箇所を部分引用しているだけなので、判旨の流れを理解しにくいことが結構ありました。
必要に応じてWeb検索等で補っていきました。
■未知:『みんなが欲しかった!行政書士の判例集』(TAC出版)
合格した後に知ったのですが、行政書士試験用の判例集もあるようです。
中身を見ていないのですが、使えそうなら使ってもいいかもしれません。
買って読む機会があったら、レビューしてみたいと思います。